おしゃれな内装のカフェに入ったとき、メニュー表の写真がスマホで撮ったままのような画質だったとき。静かな雰囲気なのにBGMがうるさすぎて、せっかくのひとときが台無しになったとき。そんな経験はありませんか?
「急に醒めた」あの感覚——実はこれ、ブランドの問題なんです。
今回読んだ本
柴田陽子事務所の著書「美しいブランドのつくりかた」です。

400件以上のブランディング実績を持つシバジムが、独自のメソッドを初公開した一冊で、ブランドに関する知見がふんだんに詰まっています。マーケティングや経営戦略に興味のある方には、ぜひ手に取っていただきたい本です。
著者・柴田陽子さんについて
本書の著者、柴田陽子さんは「シバジム」こと柴田陽子事務所の代表で、ブランドプロデューサーとして20年以上のキャリアを持つ方です。
大学卒業後は外食企業に入社し新規業態開発を担当。その後、化粧品会社での商品開発やサロン業態開発なども経験したのち、2004年に柴田陽子事務所を設立しました。
手がけた実績は幅広く、「グランツリー武蔵小杉」の総合プロデュース、ローソン「Uchi café Sweets」、パレスホテル東京の料飲施設、ミラノ国際博覧会の日本館レストランプロデュースなど、誰もが知る有名ブランドのブランディングに携わってきました。
コンサルティングにとどまらず、「自分が本当に納得のできるものづくりがしたい」という思いから2013年にアパレルブランド「BORDERS at BALCONY」を立ち上げ、デザイナーも務めています。
ブランディングの実務家として第一線で活躍し続けている方の言葉だからこそ、本書の内容には説得力があります。
「タッチポイント」という考え方
この本を読んで特に刺さったのが、「ブランドタッチポイント」という概念です。
タッチポイントとは、お客様がそのブランドに触れるすべての接点のことです。ロゴやキャッチコピーはもちろん、ウェブサイト・SNS・店頭のポップ・スタッフの言葉遣い・店内のBGMや香り・名刺や見積書のデザインまで、お客様の目に触れるものすべてが含まれます。
冒頭のカフェの話で言えば、内装はおしゃれなのにメニューの写真がちぐはぐ——これがタッチポイントの不一致です。
自分のビジネスを振り返ってみると
皆さんのビジネスはいかがでしょうか。
SNSでは親しみやすい投稿をしているのに、ウェブサイトを開いたら急に固い文体になっていたり、Instagramとホームページでキャッチコピーやトーンがバラバラになっていたりしませんか? お客様に伝えるメッセージがちぐはぐになっていると、せっかくの発信が積み重なっていきません。
ブランドは大企業だけの話ではない
中小企業診断士として地域の事業者を支援していて感じるのは、地域の優れたお店や会社ほど、自分たちの「らしさ」をうまく言葉にできていないことが多い、ということです。
本書では「ブランドとは、ファンのつく”らしさ”をもったかたまり」と定義されています。規模の大小は関係ありません。地域の小さなカフェでも、農家でも、設備業者でも、「らしさ」が一貫していれば、それはブランドです。
まず一度、書き出してみてください
名刺・チラシ・看板・ウェブサイト・SNS・電話対応……自分のビジネスのタッチポイントを一度書き出してみてください。それらは同じ「らしさ」を伝えていますか? どこかに「醒める」ポイントはありませんか?
「コンセプトをつくる → すべてのタッチポイントに実装する」というシバジムのメソッドは、難しい話ではありません。まず「誰に、何を伝えたいか」を決めること。そこからすべてが始まります。
ブランドや経営戦略についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


